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おねだりする大人でなく、共存するためのルールをしつける大人に

親が子どもをしつけるのに、叱るよりほかにもっといい方法があるのでしょうか?

 

「大人は、子どものしつけにあたって、命令、禁止、脅し、罰を繰り返している。しかし、『どうして親の言うことが聞けないの!』と、子どもを脅すのは、大人が子どもに依存している姿である。『お母ちゃん、僕の言うこと聞いてね』と、子どもが母親におねだりしているのと本質的に同じである」と講演会で話した。

すると、若いお母さんからこんな質問をいただいた。
「おもちゃを片づけない五歳児への対応で困っている。夕食時、いくら言っても遊び散らかしたおもちゃを片づけない。つい『片づけないなら、おもちゃ捨てちゃうわよ!』と、いつもの脅し文句を口にしてしまう。先生のお話をうかがって、確かに脅しは親が子どもにおねだりしている姿のように思う。でも、親が子どもをしつけるのに、ほかにもっといい方法があるのだろうか?」

この質問に私はこんなふうに答えてみた。
「あらかじめルールを決めておくのはどうでしょうか。たとえば、『おもちゃを片づけてくれないと、お母さんはお掃除もできないし、夕ごはんの準備もできない。そうすると、おうちの人みんなが困る。だから、遊んだおもちゃは自分で片づけて欲しい。今度お片づけできなかったら、大好きなこのおもちゃは三日間遊ぶのはなしにするわね』と、お子さんに伝えておきます。そして、片づけができなかった時おもちゃを取り上げ、ルール通り使用禁止にします。三日たったら、『三日間よく我慢してくれたわね。ありがとう』と、ルールを受け入れ我慢してくれたことへの感謝を子どもに伝え、おもちゃを返します。これを繰り返すしつけのやり方です」


脅しや罰で子どもに「おねだり」するしつけではなく、家庭や学校・地域社会など共に暮らす場には互いに守らなくてはならない「ルール」があることを、大人が具体的に子どもに伝えていく。家庭生活の中で、「他者との共存のためのルール」を親から一方的に押しつけられると、子どもは苦痛を感じる。しつけには、ルールを受け入れる子どもの苦痛に寄り添う姿勢が親の側に求められる。共存にともなう苦痛は、「自分を受け入れてくれるとき、相手の側が感じる苦痛」と同質であることも伝えてやる必要がある。子ども自身が痛みを感じながらも、「他者と共存するためのルール」をきちんと引き受けていく姿勢、これを子どもに育んでやる必要があるように思う。

                                      

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