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ちば心理教育研究所

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虐待と世代間連鎖

世代間連鎖のなぞ

虐待された生い立ちをもつ子どもは、「自分は将来、親になっても、自分の子どもは絶対に虐待しないぞ!」とかたく心に誓っていたはずなのに、親になって気がつくと、しばしばわが子を虐待してしまっています(虐待の世代間連鎖)。それはなぜなのでしょうか?

暴力は相手への依存

あらためて暴力とは何でしょうか。なぐる・蹴る・暴言を浴びせるというのは、暴力の手段です。暴力の目的、暴力の本質は、「痛い目に会いたくなかったら、黙って俺のいうことをきけ!」「無条件に俺のいうことを承認せよ!」と、一方的に相手に承認を強要し、相手を支配することです。相手を支配するという形で、じつは相手にしがみつき、依存するのが、暴力の本質なのです。

赤ん坊の「甘え」は暴力

生後まもない赤ん坊は、夜中3~4時間おきに泣いて騒いで、おっぱいちょうだい、オムツ替えてちょうだい、不機嫌をなだめてちょうだい、と一方的に母親に要求します。母親が眠かろうが、体の具合が悪かろうが、赤ん坊は母親の事情にはお構いなし。母親に無条件の承認を求めます。子どもの「甘え」は母親への「承認の一方的強要」であり、これは「暴力」にほかなりません。

とはいえ、親の保護をとりこむことで(愛着の形成)、子どもは自分の甘え(暴力)を自分で抱えられるようになり、甘え(暴力)を我慢できるようになります。

病的な依存パターン

上記は子どもが親に依存するという健康な依存パターンですが、逆に親のほうが子どもに依存し、子どもが親を受けとめるという病的な依存パターンがあります。親が子どもに依存する、まさにそれこそが子ども虐待の本質ともいえます。

虐待の内在化

自分に依存してくる親をとりこむことが続くと、子どもは〈自分に依存する親〉はとりこみますが、〈自分を保護してくれる親〉はとりこんでいないため、自分では自分をなだめられなくなります。その子は、自分が親になったのち、今度は自分がわが子に依存(虐待)し、保護(甘えの充足)を求め、自分のなかの不安やダダッコを、わが子になだめてもらおうとします。これが〈虐待の世代間連鎖〉と呼ばれるものです。

わが子への虐待がやめられない或る母親は、自分の娘が生まれたとき、「私のお母さんができた」と思ったと語っておられました。〈心の中にいるはずの親〉に依存できないため、〈心の外にいる現実のわが子〉に依存してしまうということです。

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